この本はこういう方に読んでほしいです
・仕事に悩む人たちに勇気を与えてくれる人生応援ストーリー
・親しみのある文章で読みやすく、しんみり泣ける
・ブラック企業に勤めていて、仕事辞めたいと思っている方に読んでほしい
前作の「ちょっと今から仕事やめてくる」を読んで、すごく共感し、
今の自分と重なるところが多いなと、思っていた作品の続編ということで
早速読んでみました。
前作に引き続き、リアルな世界観が印象的でした。
頑張れば明るい未来が手に入るわけじゃないし、理不尽なことが多い。
それでも生きていれば、繋がりが見えくる。
そのさきに希望を見つけることができたら
人生って、それほど悪いものじゃないって思えるのかもしれないですね。
感想
「ちょっと今から人生かえてくる」では前作の後日談や、他の登場人物を深掘りしている短編集となっています。
「ちょっと今から仕事やめてくる」の世界観が一気に広がりました。
こちらを読んでから
主人公の青山とヤマモトのその後や、登場する機会の多かった五十嵐に関しても気になっていました。
特に五十嵐に関しては、
・なぜ、先輩が青山の手柄を横取りしたのか
・青山のことが本当に嫌いだったのか
こんな疑問があったので、
五十嵐目線で話が進んでいく場面があり、明らかになり、ホッとしました
彼も苦労していたんですね。悪い人じゃなくてよかった。
五十嵐は過去の自分の行為にとらわれて、「罪悪感」と「自己否定」という沼にハマってましたが
そんな五十嵐も友人や後輩によって変わっていきます。
人生を変えるのはやっぱり人との繋がりなんですね。
青山に関しては、挫折を前向きに捉えて、未来に向かって頑張っています。
五十嵐のことも許していて、退職後も連絡を取れるくらいです。
その素直さ純粋さ素晴らしく、見習いたいです。
まとめ
作者の北川恵海さんは五十嵐のことをきちんと書きたかったことと、
青山とヤマモトを大好きになってくれた読者へのお礼を込めて続編を書いたそうです
残念ながら、現実世界では奇跡など起きないし、だからこそせめて物語の中ではハッピーエンドを見ていたい。
御伽話の「めでたしめでたし」のその後もずっと続く現実を、ひたすら幸せに向かって地道に歩くみんなの姿を見て欲しかったのです。
本書 あとがきより引用
北川さんは、自分の書いた登場人物の、どの人物にも愛着を感じていて、みんなに幸せになってもらい気持ちがあるんだなと思いました。
ブラック企業に勤めボロボロになった主人公たちが、
人との繋がりに気づきながら人生を見つめ直していく姿に勇気づけられる作品です。
非常に読みやすい小説なので、普段小説を読まない方や忙しくて読書する気がない方にもおすすめできると思います。
気になったら読んでみてください。
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